FREEplus(フリープラス)です。
石川県金沢市の小さな不動産屋です。

自宅用の日常使いの花は、気軽にスーパーなどで買うことが多くなりました。
ただ、プレゼント用のブーケはお花屋さんで買う、と使い分けしている感じです。
そういう方は多いんじゃないでしょうか。

切り花の値段は市場の競りで決められますが、これまで値段を決める基準の一つは長さでした。
プロポーズにバラの花束を贈り、開店祝いにはコチョウランが並べられ、葬式では大きな祭壇に花が飾られる時代から続いた業界の慣行だったそうです。
ゆえに生産者の方も「長くて立派なものをつくって評価されたい」という意識で花を育ててきました。

ですが、家族だけで結婚式や葬式をする人も多くなり、主役が”家”から”個人”に移るなどライフスタイルが変化することで、花の彩り方も変わってきました。
最近は、豪華で高価な花よりスイートピーやヒメヒマワリなどが好まれ、野に生えている小さな草花を家に飾りたいという人も多くなっています。

大田花きのまとめでは、切り花の購入先は94年には花屋が7割、スーパーが1割ほどだったのですが、19年には両者が3割強で拮抗(きっこう)するまでになりました。
気軽に、同じ品質で、決められた量を、定期的にほしいと考える顧客が増えたと考えられます。
このような消費者ニーズの変化に合わせるため、2019年、切り花の長さに「スマートフラワー」という新規格ができました。
例えば、これまで小菊の場合、長さ80~90センチがランク上位「秀」の条件でしたが、新しい規格では従来より短い70センチとなります。
これまでもスーパーからは「短く切ってほしい」と依頼を受けており、新規格の追加で販売先の需要に応え、消費者を開拓する狙いがあるといいます。

もともとは需要の変化に対応するための新規格でしたが、思わぬ好循環も生まれたそうです。
まず、花を短くすることで箱に詰められる量が増え、輸送コストも減りました。
さらに消費者の購入代金には、これまでは不要な枝や葉を捨てる費用も含まれていましたが、花を短くする過程で枝葉を落として出荷するので、その費用削減にも繋がります。

大きな花瓶に生けた花束も、コップに挿した小さな花も好き。
好みの変化に合わせて、売り方も、彩り方も変わっているようです。