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石川県金沢市の小さな不動産屋です。

9月1日は防災の日です。
関東大震災をきっかけに、防災意識を高めるために制定されました。
身近でも能登地方で地震活動が続いている中、地震や台風等、自然災害の多い日本では、いつ起きるかわからない災害に備えておくことが大切です。

今回は、インスタントハウスと呼ばれる簡易住宅を紹介します。
開発したのは、名古屋工業大学の北川啓介教授。
きっかけは、東日本大震災直後に視察に訪れた宮城県の避難所でした。
仮設住宅がなかなか建たない状況のなか、現地の避難所にいた小学生の男の子から『大学の先生だったら来週建ててよ』と言われたそうです。

通常、仮設住宅は部材を被災地まで運んで作るため、完成までに数カ月かかります。
十分な数の仮設住宅をいかに早く建設するか、という課題に、空気で膨らませる簡易住宅を作ろうと考えました。
テントシートを空気で膨らませて、内側に断熱材を吹き付ける。
実際に製作してみると、外側のテントシートは引っ張りに強く、内側の断熱材は圧縮に効くため、一体型として組み合わせると強い構造体を持つことが分かりました。
震度6強の地震、風速80m/s、積雪60cmに耐えられる強度があり、断熱材の効果で室内は快適な温度環境を保つことができます。
小学生の一言から、約4時間で設置できる高性能の簡易住宅が誕生したのです。

トルコ・シリア地震での設置が話題にはなりましたが、現状はレジャー施設などでテントとして利用される場合がほとんどです。
被災地支援のひとつとして、災害用仮設住宅としての活用が進むのか。
今後に期待です。