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ニュースサイトをチェックしていて
「なぜ、キツツキは脳震盪(のうしんとう)を起こさないのか」
という記事を見つけました。

考えたこともありませんでしたが、たしかに謎です。

キツツキは餌を採ったり巣穴を作るために、木をつつきます。
そのスピードは1秒間に20〜25回とも言われますが、その衝撃で脳を痛める様子はありません。
これは多くの研究者・専門家にとって、長年の謎でした。

「たいてい腐りかけた木を選ぶので、そもそも強い衝撃は伝わらない」
「頭蓋骨を取り巻く骨と筋肉の構造が、脳の保護に役立っている」
「くちばしと頭蓋骨の間に”衝撃吸収材”があり、それが脳を守っている」
など、これまでも有力な仮説がありました。
衝撃を吸収・分散する仕組みが分かれば、アメリカンフットボールなどのコンタクトスポーツのヘルメット開発に応用でき、ビッグビジネスにつながります。

しかし2022年、ベルギー・アントワープ大学らの研究で、
キツツキには衝撃から脳を保護する吸収材がまったく存在せず、衝撃を真正面からモロに受けていることが判明しました。
つつきによる衝撃を、まともにくちばしや頭に受けていたのです。

では、どうして脳へのダメージがないのでしょうか?

調査の結果、キツツキ程度の小さな脳であれば、つつきによる衝撃は脳にダメージを与えないことが明らかになりました。
キツツキがつつく木の幹が、比較的柔らかな素材であることも影響しています。
研究チームによると、キツツキが脳震盪を起こすには、
今の2倍の速度で木をつつくか、金属のような硬い面をつつく必要があるとのことです。

この研究成果は、長年、専門家の間で広まっていた ”衝撃吸収説” に真っ向から反論するものです。
生物進化の視点からしても、より大きな頭や首の筋肉を持つキツツキが存在しない説明がつきます。

「脳が小さいから、脳震盪を起こさない」
脳は大きい方がいいのだと思ってましたが、小さいことがメリットにもなるんですね。
生物の進化は神秘です。