FREEplus(フリープラス)です。
石川県金沢市の小さな不動産屋です。

突然、「はぁ…」という大きなため息が聞こえました。
振り返ると、ため息の主はたまにお見かけする女性です。
お会いすれば挨拶はしますが、これまでお話をしたことはありません。
ですがあまりにも分かりやすい、大きなため息を無視するわけにもいかず、
「どうかされたんですか?」と声を掛けてみました。

「今から買い物に行くのが億劫で、つい」
「今からですか?もう遅いのに大変ですね」
「野菜が高いじゃないですか」
「ほんとに。買うの躊躇してしまいますよね」
「実は昨日もスーパーに行ったんですけど、高くて買うのを止めたんです。今日安くなってるといいんですけど」
「私もキャベツが1個600円の時は買うのやめました。笑」
「でも、買わないわけにもいかないし」
「ですよね。この価格に慣れていかないとですね」
「夕飯にどうしてもいるので、今日こそ買わないと」

ひとしきりそんな話をした後、買い物に行くという彼女と別れました。
見送ってから、こんな出会いもあるんだな、と笑ってしまいました。
彼女のフレンドリーな語り口も、思いのほか屈託なく笑うことも、挨拶を交わしているだけでは気付けなかったことです。
今日は欲しかった野菜買えたかな、などと想像したらなんだか楽しくなりました。

次の日、偶然にも彼女にまた会うことができ、
「あれからスーパー2件回って買いました。高かったですけど」
と教えてもらいました。
ちなみに何を作ったのかを聞いたら、タコライスを作ったそうで、彼女の定番メニューだそう。
「すごい、タコライスなんて家で作ったことないです」と言ったら、
「簡単ですよ、タコライス」と笑われました。

たしかに難しい料理ではないし、たまには私も新しいメニューに挑戦してみようかな。
でも、レタスとトマトがすごく高かったらどうしよう。
これが彼女のため息の原因かと思ったら、野菜売り場で笑ってしまいそうです。
もしそんなことになったら、彼女に報告します。
屈託なく、一緒に笑ってくれると思うので。