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石川県金沢市の小さな不動産屋です。

今回は「なぜ、そっちを選んだのだろう」と思ったことについてです。

先日、シャワーを浴びていた時のことです。
石鹸を取った際に、クレンジングクリームのボトルに手がぶつかってしまいました。
残量が少なく軽くなっていたせいもあり、ボトルが倒れかかりました。
私はとっさに、ボトルを支えていました。
そのためボトルは倒さずにすみましたが、手に持っていた石鹸は床に落ちてしまいました。

床に転がった石鹸を拾いながら、
「私はなぜ、ボトルを倒さない方を選んだのだろう」と考えました。
とっさのことなので、いわば無意識の動作だったはずなのです。

不思議に思って、反射について調べてみました。

反射神経とは刺激に反応して起こる不随意でほぼ瞬間的な動き(反射)を可能にする神経です。
反射は、感覚器官から脊髄を経て筋肉に感覚や命令が伝わることで起こります。
通常の反応では、感覚器官から脊髄→脳→脊髄→筋肉という順に情報が伝達されますが、反射では脳を経由せず、脊髄が命令を出します。
このため、意識的な思考を必要とすることなく、素早く反応することができます。

反射行動にはいくつも種類があるのですが、特に脊髄反射として知られているのは、熱いものに触れた際に手をひっこめたり、転びそうになった際に手をつく動作です。
これらは生体の安全を守るために備わっている、いわば緊急避難的な運動です。

これに対し、経験などで後天的 (後付け) に獲得された反射が条件反射です。
有名な「パブロフの犬」がこれに当たります。
あらためて、パブロフが行なった実験を紹介しますと
 1.イヌにメトロノームを聞かせて、エサを与える
 2.イヌはえさを食べながら唾液を出す
 3.1.2.を繰り返す
 4.イヌはメトロノームの音を聞いただけで唾液を出すようになる

これがいわゆる学習と異なるのは、唾液の分泌が無意識的である点です。
イヌは “思考もしくは意識して” 唾液を分泌している訳ではないのです。

私が “とっさにボトルを支えた” のは、条件反射のようです。
「パブロフの犬」に倣って説明しますと
 1.私が(なんらかの)ボトルを倒す
 2.そのため(なんらかの)惨事になる
 3.1.2.を繰り返す
 4.私はボトルが倒れかかったら支えるようになる

ここで問題なのが、 “ボトルを倒して惨事になった” 事柄を全く思い出せないことです。
条件反射が起こるほど何度も体験したはずなのに、です。

この「都合が悪いことを、都合よく忘れてしまう」メカニズムも調べる必要がありそうです。