FREEplus(フリープラス)です。
石川県金沢市の小さな不動産屋です。

先日、お盆より少し早めにお墓参りに行ってきました。
そこで偶然、幼なじみに会いました。

「〇〇!」
「あ、久しぶり」
「びっくりした。似た人がおるなと思って」
「本人でした(笑)」

彼は、いまだ震災の爪痕が色濃く残る地元に住んでいます。
会えば地元の近況を細かく教えてくれます。

彼が言うには、ここ1~2カ月で地元から出ていく世帯が急に増えたそうです。
もともとは地元愛が深い土地柄です。
震災からしばらくは不便な生活にも我慢していたのでしょうが、全くといっていいほど進まない復旧に業を煮やしたのかもしれません。

「この前、通り沿いで残っている家を数えてみたら、13軒でさ」
「13軒?うそでしょ」
「本当。なんか悲しくなるよな。これだけ世帯が減ると行政サービスも縮小されるだろうから、いつまでいられるんだか…」

道すがら、ぽっかりと空き地があることは気付いていました。
これは皮肉にも、家の取り壊しだけが順調に進んでいるせいのようです。
住民へのケアは置き去りのまま。

「あ、そういえばお前の実家、黄色の紙(=要注意)貼ってあったけど」
「え、前に行ったときは貼ってなかったと思うけど」
「近所の△△さん家、取り壊してたよ。知らなかった?」

自分も大変なのに、私の実家を気にかけてくれていたようです。
相変わらず、そっけなく、淡々と。

ほんとうに強いのは市井の人々だ、とどこかの作家が言っていました。
でもその強さに甘えて我慢を強いていると、いつかポキッと折れてしまいます。
誰も、そんなには強くないのです。

幼なじみと話した後、震災時に書いたブログを読み返しました。
私たちがあの時なにを感じたのか、あらためて紹介いたします。
お読みいただけると嬉しいです。

これからも「私たちに何ができるのか」を考え続けていきます。