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石川県金沢市の小さな不動産屋です。

先日、金沢駅近くで女性グループに
「市場までどれくらいかかりますか?」と声を掛けられました。
ここから近江町市場まで歩いてどれくらいかな、と少し考えていたら、
「あ、近江町市場ではなく、中央市場に行きたいんです」

「中央卸売市場ですか?」
「はい。朝食をそこで食べようと思って」
「そうですか。ここからなら歩いてでも行けますよ」
「タクシーで行くのと、どちらがいいですか?」
「どちらがいいかは迷うところですね、今日は暑いですし。歩いて15分くらい、タクシーなら5分掛からないくらいです」

相談した結果タクシーで行くことにしたようで、お礼を言われて別れました。

金沢に住んでいると、観光客から声を掛けられることがあります。
「ここから○○までどうやって行くのが一番いいですか?」

金沢はコンパクトシティですので、主要な観光名所へは歩いて行けます。
金沢駅から近江町市場までは徒歩で約15分。
近江町市場からひがし茶屋街までは約15分、尾山神社までは約10分。
尾山神社から兼六園までは約15分、武家屋敷跡までは約15分。
兼六園から金沢城址までは約5分、21世紀美術館までは約5分。
ただこの距離感ゆえに、案内に困ってしまうこともしばしばです。

徒歩15分。
私なら歩くけれど、旅先で迷いながら歩くには不安な距離かもしれない。
かといって、知らない土地でバスに乗るのは難易度が高いだろうし。
そんなに遠くないけど、タクシーを勧めるのが無難なのかも。

などと無駄に考えすぎて、前出のように「徒歩で〇分、タクシーなら△分」みたいな案内をしてしまいます。
「せっかく地元民に聞いたのに、Googleみたいな返答だな…」と思われていそうです。

くだんの女性グループには
「この大通りを真っすぐいけば着きますので、歩いて行くのがいいと思います」
と言えば良かったのかもしれません。
でもそう ”地元の人” に言われると、歩かざるをえない空気になりそうです。
中には、おしゃれして来てるから15分も歩きたくない、と思っている人がいるかもしれないのに。

金沢に住んでいる私は、人知れずこんな葛藤を続けているのです。