FREEplus(フリープラス)です。
石川県金沢市の小さな不動産屋です。
取引先の会社で、とある出来事がありました。
従業員の安全をどう確保するか。
昨今の情勢を考慮すると、けっして他人事ではありません。
いつものミーティングでも話題になりました。
「そんな時間に1人で行かせるのが、そもそも間違ってる」
「社内には何人かいたらしいけど」
「誰か一緒に行ってあげられなかったのかな」
「残業時間だったし、他の人にお願いできなかったのかも」
「そこは遠慮するところじゃないと思う」
「ま、なにもなかったから、こうして話題にもできるんだけど」
自分だったらこうする、いやこうなったらどうする?
などひとしきり話し合った後、意見が一致しました。
「最悪を想定することが、最良の対処」
私たちは、住まい探しのお手伝いをしています。
不動産サイトを見れば簡単に物件情報が手に入るこの時代に、「ゆっくりお話を聴く」という不器用な方法で。
ご要望を正しく理解するために、許容できない点を把握するために、必要な手順だと思うからです。
よく「静かな環境で生活したい」というご要望をお聞きします。
ですがこの ”静かな環境” が指すのは、音なのか、人との関わりなのか。
音だとすれば、家の中が静かならいいのか、家の周辺で騒音がしないことを望んでいるのか。
”静かな環境” は人によって異なるので、要望を正しく理解する必要があります。
それでは「静かな環境で生活したい」ので、郊外の市街化調整区域に建つ中古住宅を検討しているとします。
その場合、住宅ローンを借りる際の評価額が低い、将来的に売却が難しい、現状のインフラを今後も維持できるか不透明、などのデメリットが考えられます。
それら全てを許容できる人は稀で、その許容範囲は人によって異なるので、許容できない点を把握する必要があります。
大切にしたいことや避けたいリスクは、人によって異なります。
表層的な要望を鵜呑みにせず、ゆっくりお話をお聞きするのはそのためです。
小さな不動産屋の私たちは、臆病です。
ゆっくりお話をお聞きした後、要望を正しく理解できたかを何度も反芻します。
最悪の事態をケースごとに想定し、それらの解決案も妥協案も考えます。
臆病なのは、想像力があるから。
そう考えると、むしろセールスポイント!
「最悪を想定することが、最良の対処」
ただの雑談から出てきた言葉ですが、臆病な私たちらしくて気に入ってます。